喫煙歴のある人は新型コロナウイルス(COVID-19)に感染しやすい
色色な遺伝子データベースを引っかき回して、現在最もホットな新型コロナウイルス(COVID-19)の話題を作り出した論文を発見。
論文:
Guoshuai Cai, Bulk and single-cell transcriptomics identify tobacco-use disparity in lung gene expression of ACE2, the receptor of 2019-nCov
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.02.05.20020107v3.full.pdf
それによると、COVID-19の細胞侵入にかかわるACE2(angiotensin-converting enzymeII)発現は性別、人種、年齢には差が無かったが、喫煙歴により高まることが示されています。
まぁ、あくまでも遺伝子データベースを引っかき回したレトロスペクティブな検討ですけどね。
中国の新型COVID-19の発症男女比は男性の方が多く、「もしかしたら男性の方が発症しやすいのでは」と一部でいわれています。
でも、中国喫煙率は男性66.9%、女性4.2%(厚労省のTabaco & Health)で、喫煙歴が男女差を生じさせている可能性が大ですね。
新型コロナ侵入経路ACE2発現は人種、年齢、性別に差がなかった
この論文によると、ACE2発現は人種、年齢、性別に差は無いとのこと。
多変量解析で喫煙歴に有意差が出ています。
やはり、中国での男女差は喫煙歴に原因がありそうですね。
人種による差の無いことから各国での対応結果を比較できそう。
A、C、Dは、人種(白人vsアジア)、年齢(60歳以上60歳未満)、性別(男性vs女性)のACE2の発現。
Bは、年齢、性別、人種、喫煙、RNA-seq Platformを変数とする多変量解析の結果。
図はちょっと見では理解しづらいので原著をご覧下さい。
喫煙者、特に元喫煙者は肺のACE2が上昇している
喫煙経験者の肺ではACE2が非喫煙者に比べ高く、ちょっと「えええっ」って結果ですが、一生懸命禁煙しても禁煙して15年以下だと喫煙者よりもACE2値が高いとのことです。
せっかく禁煙したのにね。
でも、この図Cは、ショップテレビ番組でよく見かける縦軸に下駄を履かせたグラフ。差を大きく見せるための作為があり、通常の専門誌なら拒否されます。
眉唾かもね。
詳しくは原著をご覧下さい。